20歳になるまで(-2015年10月)に出会ったアルバムで名盤10選を組んでみた
2018年になりました。
皆さま明けましておめでとうございます。
新年1発目の企画は生まれてから20年間で出会った中で、最も衝撃を受けたアルバム10選を振り返るというコーナーです。(すでに22歳なのですが)
人生の名盤10選だと永遠に変わり続けてしまうので、このような形にしました。
順番は知った時系列順です。
他にも大好きなアルバムである星野源の「YELLOW DANCER(2015)」やスーパーカーの「スリーアウトチェンジ(1998)」は20歳以降で出会ったアルバムなので書けなくて残念です。また何かの機会があれば今回選びきれなかったアルバムと共に紹介したいと思います。
僕の音楽の原点と言えるアーティストが「いきものがかり」である。そんな彼らで初めて出会ったアルバムがこの「ハジマリノウタ」。
元気づけられるバラードであるM-1「ハジマリノウタ」、合唱の代表曲のひとつであったM-4「YELL」(この曲でいきものがかりにハマりました)、和風で美しいメロディが特徴のM-6「真昼の月」、カッコイイ歌謡ロックナンバーのM-8「秋桜」、切ないバラードソングM-9「ふたり」、メンバー3人で歌い上げる明るい曲のM-10「てのひらの音」辺りが特にお気に入り。
いきものがかりのリーダーでほとんどのシングル曲を手がける水野良樹は「みんなの真ん中にある音楽を作りたい」と語っている。「J-POPの中心」という一見無個性にも見える考え方が日本の音楽シーンの型に上手くハマったのである。
「ハジマリノウタ」の中には
「YELL」「じょいふる」「ホタルノヒカリ」「ふたり」などそれぞれ違う風味の、それも王道の音楽性で投げかけてくれる。彼らの届けるアルバムは毎度、地元で昔から愛されるお弁当屋さんのような仕上がりである。
②ソルファ/ASIAN KUNG=FU GENERATION (2004)
最初に出会ったロックバンドのひとつである。今回紹介する「ソルファ」2016年に再録アルバムも発売された、彼らの人気筆頭アルバムのひとつである。
まずM-1「振動覚」の一発の盛り上がりが最高(僕が一番好きなアジカンの曲のひとつです)。そしてそこから有名ロックナンバーであるM-2「リライト」へと駆け抜けてゆく。M-3「君の街まで」はサビの歌メロの裏声が気持ちいい。ギターソロもとても良い。M-8「Re:Re:」はノリの良い四つ打ちとアツイ間奏。M-11「海岸通り」はエモエモロックバラード。そして最後のM-12「ループ&ループ」は初っ端から、簡単だけど特徴的で真似したくなるドラムフレーズが炸裂。
ゼロ年代前半を象徴するバンドのひとつで、これからも邦ロックの王道を走り続けて行くことであろう。
③Termination/9mm Parabellum Bullet (2007)
こちらも最初に出会ったロックバンドのひとつ。ゼロ年代後半ロックの象徴するバンドのひとつ。歌謡とロックをミックスしてインパクトのあるフレーズで「ダサカッコイイ」という褒め言葉(?)をいただいたり、手数ドラムブームの火付け役のひとつであったりと、何かと衝撃的であった。
当時はそんなに深くバンドは知らなかったが、歌謡風のダークなメロディに滝さんのリードギターが合わさって、すぐに世界観に引き込まれた。特に、完成度の高いアルバムリード曲のM-10「Termination」→3拍子ロックナンバー(この曲で知って衝撃を受けた)M-11「The World」→超BPMでライブでも定番なM-12「Punishment」という流れが好き。速い曲が目立つ中でのミドルテンポのM-5「砂の惑星」の存在感も好き。
④Once upon a time in the pillows/the pillows (2009)
ピロウズも割と最初の方で出会ったバンドの1つである。ピロウズは1989年デビューで20周年を記念して作られた2枚のベストアルバムのうちの1つが今回紹介する「Once upon a time in the pillows」である。もう1つ「Rock stock & too smoking in the pillows」にも「ONE LIFE」「funny bunny」「ストレンジカメレオン」「スケアクロウ」など好きな曲がたくさんあるが、今回は古き良き魅力の詰まった前者を紹介する。特に好きなのが、スタンダードでカッコイイ3拍子のロックチューンM-2「この世の果てまで」やスローテンポで熱く歌い上げるM-4「Thank you, my twilight」、歌メロに特に心を打たれたM-11「Please Mr. Lostman」など。
ピロウズの音楽は辛い時に元気をもらえる曲がたくさんある。
⑤GAME/perfume (2011)
僕の音楽性が広がるきっかけとなった中田ヤスタカ。彼のおかげでロックに拘らずもっとポップスまで広げて色々聴いてみようと思えた。奇才の彼が手掛けるperfumeのアルバムは正直全てが名盤で迷ってしまうがその中でも好きな曲が多いGAMEを紹介する(勿論perfume3人のダンスやMIKIKOさんの振付も評価するべきだが、今回は音楽に焦点を絞って書く)。
M-6「マカロニ」は人と人とのつながりを歌った曲であり、冬に聴きたくなる。独特に音作りのドラムでの四つ打ち・優しく温かい音のキーボが特にお気に入り。M-12「puppy love」はAメロのベースリフが特にカッコよく、同じAメロのドラムフレーズも特徴的で面白い。この2つの曲は特に、音作りが初期らしくありつつとても練っている感じもするのでアルバム単位を超えて、perfume全体で最も好きな曲である。他にも現在ライブでも定番となっている「チョコレイト・ディスコ」や「ポリリズム」なども収録されており、聴きごたえのあるアルバムになっている。
⑥シフォン主義/相対性理論 (2008)
ゼロ年代邦ロックの奇行種のひとつ。オシャレで非常にカッコイイメロディからの、語感重視の不思議な世界観の歌詞・ささやくようなアンニュイな歌声という独特の世界観に衝撃を受けた。そんな彼らのミニアルバムを紹介する。
まずM-1「スマトラ警備隊」のフロアタムを土台とした独特のリズム感のキメから始まり心を掴まれる。その次には有名どころのM-2「LOVEずっきゅん」。Aメロではフロアタムの重厚な音がやくしまるえつこのふわっとした歌声を支える。ラスサビはスラップベースと手数の多いドラムのリズム帯による波状攻撃でイチコロである。M-3「夏の黄金比」はコントレックス箱買いってなんやねん!とか言いつつノリの良いサビからのタム回しからのギターソロという展開がありがちだが良い。M-4「おはようオーパーツ」は頭から特徴的なリフとリズム感に掴まれる。M-5「元素紀行」はミドルテンポだがノリと語感が良く遊び心満載な感じが良い。ナンバガのIGGY POP FAN CLUBの影響絶対受けてるでしょってなる。ミニアルバムなのでついつい全曲紹介してしまった。
⑦NON SUGER/Brian the Sun (2013)
2008年閃光ライオットでガリレオガリレイについて準優勝した実力派バンドの初フルアルバム。オシャレなコード感とリードギターが特徴的。彼ららしさが特に爆発してるのでこのアルバムが一番好き。
M-1「Suitability」は閃光で披露した初々しく疾走感のある1曲。Bメロのドラムのキメがとても気持ちいい。M-4「Baked Plm Cake」は疾走感を持ちつつオシャレ感MAXのロックナンバー。M-6「Noro」は全ての楽器がとても簡単な繰り返しのフレーズでできている割にカッコイイ。M-9「Sister」は個人的な一番の衝撃作。リードギターのリフが特に良く非常に完成度が高い1曲だろう。間奏で5拍子になったりアウトロで3拍子だったりというメリハリも面白いと思う。
⑧UNISON SQUARE GARDEN/UNISON SQUARE GARDEN (2009)
ユニゾンのセルフタイトルアルバムで初期らしくロック要素が強いアルバム。今の技巧派ポップ的メロディも良いが(僕はシュガビタが素直に一番好きな曲です)、初期のロックとポップのバランスが丁度いい感じで特に好みのサウンドなのでこちらのアルバムを選択。
まずM-1「カラクリカルカレ」、出だしから飛ばしてる。Bメロの独特の歌メロとシンコペーションな動きが好き。M-5「等身大の地球」、根幹となっていると言えるベースリフが素晴らしい。M-8「マスターボリューム」はTHEロックナンバーと言った感じ。イントロと間奏のドラムの独特のリムショットの運びは圧巻に一言。ギターソロもストレートな感じが良い。M-10「箱庭ロック・ショー」はドラムフレーズが特に終始クールに決まっている。特に2番Aメロ後半の、四つ打ちにタムをねじ込んだフレーズが至高。
⑨cinema staff/cinema staff(2011)
エモにポストロックにハードコア。現在僕が一番好きなバンドと言えるのがこのcinema staffである。僕が一番好きなドラマーの久野洋平が所属しているバンドでもある。その中でもセルフタイトルのこちらのアルバムを選択。
出だしはM-1「白い砂漠のマーチ」。Bメロやサビのような激しくタムやベルを行き来する久野さんらしいフレーズが聴いていて気持ちが良い。4拍子と3拍子を行き来する感じも良い。M-3「sleleton」こちらもイントロから特徴的なドラムフレーズが飛び交う。曲内は基本ゆったりしたテンポ感が続くが、1番のBメロで4ビートで突然雰囲気が変わる所も面白い。1番とCメロの間のベースが前に出る所も面白い。最後の曲M-11「海について」は7分超えの超大作であり、僕がcinema staffの中でも一番好きな曲である。主にシーンが3つあり特徴的なドラムリフとギターリフが続く序盤部分、一度ゆったりとしてから徐々に盛り上がってゆく 歌メロ部分からハーモニカを交えた長い間奏部分へと繋がる中盤部分、タム中心の激しいドラムフレーズとエモさ爆発の歌メロが炸裂する大サビ部分である終盤部分である。1番や2番という概念がなく7分でひと回しとなっていて、その壮大さはひとつの映画を見ているようである。
cinma staffは海がない岐阜県出身でありこのアルバムは砂漠から海へというモチーフがある。彼らにとっての海がどれほどドラマチックに映っているかがこの音楽に見えてくる。
⑩YANKEE/米津玄師(2014)
ボカロ出身であり、10年代後半の日本音楽の超新星。 その音楽性に衝撃を受けた1枚がこちら。
最初の曲であるM-1「リビングデッド・ユース」は根幹となるドラムフレーズが面白い。M-4「アイネクライネ」はメロディメーカーとしての頭角を感じる、とても歌メロが秀逸な1曲。この曲で知りました。M-9「しとど晴天大迷惑」はアップテンポのロックナンバー。サビ前のキメがとても気持ち良い。サビ最後の「ぱーぱらぱ」の部分のキメもとても気持ちいい。2番サビ最後も「声も出ない」とオフボーカルでキメに入る部分でイチコロでした。M-11「ホラ吹き猫野郎」はノリの良いシャッフルビートに乗せられた特徴的なリードギターがすごく好み。独特の打楽器系打ち込みの遊びも面白い。
おわりに
自分の音楽のルーツを辿ってそれらのアーティストの魅力を再確認ことができたのでとても楽しかった。2035年には20-40歳で出会ったアルバム10選ってのをやります、たぶん。まあまともに音楽掘り起こし始めたのが2010年くらいで、5年間くらいで出会ったアルバムを実質的に紹介してるので、5年ごと位にやってもいいかも。だとすると2020年頃に同じ企画をやってもいいかも??