2017年の邦楽を振り返る

 

年の瀬ということで、2017年の邦楽を振り返りたい。

そしてこのレビューは毎年の恒例にしてゆきたい。

 

※小並な文章失礼します。

 

①1曲単位の話

 

まず曲単体という単位で振り返ってみる。

 

まず今年一番衝撃的だった1曲が

けものフレンズのテーマ曲ようこそジャパリパークへである。

 

今までアニメに疎かった僕が「アニソンにも良い音楽がたくさん埋もれている」ということを意識して、もっと広い視野で音楽を捉えたいと考えることができた。

 

特筆すべき点はやはり展開のしっかりしたドラムフレーズにあると考える。

 

イントロから「シンバルミュート→タム回し→四つ打ち」

サビでもシンコペーションシンバル→タム回し→四つ打ち」

という爽快なフレーズの連続が聞いているだけでワクワクを抑えきれない。

 

上記の部分を含めずとも、曲全体としてのドラム展開が非常に良い。

 

このジャパリパークの作曲を手掛けた大石昌良についてもその後興味を持って掘り下げてみた。

最近はアニメ界隈での活躍がめざましいが、2000年ごろからSound Scheduleという爽やかな雰囲気のバンドで活動しており、「ピーターパン・シンドロームという代表曲で2003/1/24に当時では稀だった若手バンドながらのMステ出場を果たしている。

 

「456」という2003/10/8発売のアルバムに収録されているので是非聞いてみてほしい。とてもおすすめなアルバム。

 

 

その他にも様々な曲との出会いがあった

 

「パトスとエートス/Brian the Sun

2017/1/11に発売した、ブライアンのメジャー後初のフルアルバムのリード曲。メジャーに行ってからはポップに寄せようとしすぎて個人的にあまり響かなかったが、この曲は初期らしさがあってとても好み。まずイントロフレーズから衝撃的で、ギターフレーズも歌メロの感じも完璧。下手な初期の曲よりむしろ好きなレベル。

 

「荒野を歩け/ASIAN KUNG=FU GENERATION」

2017/3/29発売。「夜は短し歩けよ乙女」の主題歌。(映画もレンタル多分始まってるから借りなければ)純粋に良きギターロックって感じ。ギターソロが終わって静かなAメロから徐々に盛り上がってゆく感じ(フロアタム8分でダダダダ…→クラッシュ4分で4打でBメロに繋がるとこ)が好き。

 

「イト/クリープハイプ

2017/4/28発売。まず根幹となるギターリフが良い。Aメロ→Bメロの流れが割と特殊なイメージ。2番のBメロで新しい歌メロが登場してギターソロへ繋がる所が好き。クリープハイプは突然現れる新しい歌メロがとてもドラマチックに仕上がってる(Cメロ職人)と思う。

 

「かなしいうれしい/フレデリック

2017/8/16発売。アニメ「恋と嘘」の主題歌。らしさ爆発。個人的には歌メロとアウトロが特に魅力だと思う。その後2017/10/18に発売したミニアルバム「TOGENKYO」も良かった。

 

「冬夜のマジック/indigo la end

2017/12/3発売。歌メロの全体的なまとまり、女性コーラスの入れ方、ギターソロなど、とても完成度の高い1曲だと思う。1番でサビに行かず2番で初めてサビが現れることで曲をドラマチックに仕立てる方式(サカナクションのミュージックとかが有名か)も良い。

 

「戦ってしまうよ/ゲスの極み乙女。

2018/1/24発売予定で先行配信中。イントロからちゃんMARIのキーボが炸裂(イントロAパート→イントロBパート で使い分けられたキーボの音作り両方が良い味出してると思う)。課長のベースも曲を引き立ててる。ただ、shortver.だと非常に高かった完成度がフルだと若干だれてしまってると感じてしまう間奏があるのでそこを詰めるともっと良かったのかも??

 

「MAGIC/sumika」

2016/12/7発売だが今年知ったので紹介しておく。sumikaにはロックな曲もあるが、個人的にはLoversやこのMAGICのようなポップ目の曲にこそ才能が爆発してると感じる。踊りたくなるリズム感もPVの作りも良い。

 

その他にもたくさんあるが後述のアルバム・アーティスト単位での話に盛り込んでいこうと思う。

 

②アルバム単位の話

 

今年気に入ったアルバムを5個に絞って紹介してみます。

 

「熱源/cinema staff

2017/5/17発売。個人的に今年筆頭のアルバム。クノヨウヘイらしさ爆発ドラムフレーズの「熱源(曲名)」から始まり、最後の曲は「僕たち」というセルフタイトルに収録された「海について」に肩を並べるほどの激エモ名曲で終わる。外れ感のある曲は存在せず、シネマファン的には好みド直球の音楽性を持ち合わせた最高傑作級アルバムである。前回の「eve」というアルバムがポップ目に寄せようとして上手くまとまらなかった感じだったので、そこから僅か1年での軌道修正は見事といえる。

 

「全知全能/ポルカドットスティングレイ」

2017/11/8発売。音楽性に衝撃を受けた若手バンドの1つ。満を持して出したフルアルバムだけあってこちらも非常に完成度が高い。詳しい解説は後述のアーティスト単位での話で書きます。

 

BOOTLEG/米津玄師」

2017/11/1発売。言わずもがなで安定感バツグン。こちらも完成度が非常に高い。個人的にはBremen・dioramaより好きだけどYANKEEのファーストインパクトが非常に強かったのでそちらには敵わず。こちらも詳しくは後述のアーティスト単位の話で。

 

「ROADSIDE PROPHET/GRAPEVINE

2017/9/6発売。個人的にはリード曲の「Arma」の割と明るめの雰囲気がめちゃくちゃ刺さってとてもハマった。アルバム全体としてのまとまりも非常に良い。特に後半の「こめかみ」→「聖ルチア」の流れが好き

 

「Crying End Roll/indigo la end

2017/7/12発売。元々インディゴの音楽性が全体的に好きで、今回も相変わらずの仕上がりだった。特に好きな曲は「プレイバック」で、メンバーチェンジ後のドラマー佐藤栄太郎らしいドラムフレーズがカッコイイ。(ちなみにYoutubeにあげられている佐藤栄太郎本人がインディゴの曲を叩いてみたシリーズがめちゃくちゃ好きだったりします)展開としては後半の長い間奏のコーラスとドラムの掛け合い、そこからのドラムがクラッシュで8分を打ちながらのラスサビへの繋がりが特に好き。アウトロのドラムも良い。(ほぼ1曲の紹介になってしまってすみません)次点としては「鐘泣く命」のカーティスらしいギターフレーズが際立つ感じが良い。

 

 

③アーティスト単位の話

 

まず若手バンドで特に注目したのが

「おいしくるメロンパン」である。

クリーンギターとコード感が個性を引き出している。ドラムの手数感も良い。間奏やアウトロが長くてしっかりとそれぞれの楽器の魅力を引き出しているところも良い。ミニアルバムの「thirsty」(2016年発売)と「indoor」(2017年発売)は両方とも非常に良かったので、今後フルアルバムに期待している。

 

前述のポルカドットスティングレイ」も注目している。

ボーカルの声や歌メロも良いが、特にリードギターの印象的なフレーズが好み。

テレキャスター・ストライプ」のノリの良いリズム感、「人魚」のイントロのフレーズから掴んでくる感じ、「サレンダー」のサビのリードギターのジャカジャカ感、「シンクロシニカ」のサビの歌メロの独特な感じ、などなど魅力的を語ると止まらない。

 

再評価の方向ではやはり「米津玄師」である。

2014年に発売した「YANKEE」でひとつひとつの曲にとんでもないインパクトを受けたが、そこからしばらくはそれ相当のインパクトを感じていなかった。しかし昨年発売した「LOSER」のヒップホップっぽい新しい切り口にインパクトを受けて再び注目し始めた。2017年になってからはピースサイン(2017/6/21発売)のストレートにロックやってる感じも良かったが特に衝撃を受けたのがアニメ映画の主題歌にもなった「打上花火」である。これほどポップに寄せた良い曲も書けるのか、と米津玄師の音楽性の幅の広さを更に感じることとなった。僕が彼に何度裏切られればいいのか。(良い意味)続いて発表された、菅田将暉とコラボしたBOOTLEGのアルバムリード曲「灰色と青」も正統派の歌メロと歌詞の良い曲でこちらも衝撃的だった。

米津玄師もまだまだ26歳、これからも更に新しい世界を見せてくれることを期待して2018年以降も追って行こうと思う。

 

今年自粛期間を終えて復活した川谷絵音にも期待を寄せて追って行きたい。従来のindigo la end」「ゲスの極み乙女。の活動(作詞作曲含め)だけでもオーバーワーク気味だったのに新たに休日課長のやっているDADARAYへの楽曲提供や芸人などと個性的なメンバーで結成した「ジェニーハイ」の代表としても活動を始めた。今年だけで少なくとも50曲以上は書いている。尋常ではない作曲スピードに加えて1番と2番で歌メロを頻繁に変えるテクニックも持ち合わせている。勿論不倫は悪いことだが、人間性と芸術は基本的にあくまで切り離されるべきであり、本当に音楽が好きなら「作品」でアーティストを見るべきだと思う。それには彼には不倫で下げた地位を「才能」でカバーするだけのポテンシャルは持ち合わせていると思う。頑張ってください。

 

最初の1曲単位の話をしたときにジャパリパークの作曲者として紹介した大石昌良も今後の特にアニメ界隈での活躍を見ていきたい。Sound Scheduleとしての楽曲ももっとたくさん掘り下げなければ。

 

さいごに

音楽について文章でまとめるのは初めてだが、ひとつのアーティスト単位やアルバム単位でこれからどんどん文章にしていきたいと思う。2018年から本格的にブログをやっていきます。たぶん。(文章力をもう少し上げたい…)